令和元年11月14日 大嘗祭
様々なニュースで発信されていたので、多くの人がご存知かと思いますが、昨晩、令和元年の11月14日の夜から、大嘗祭が行われました。
日本は、古来稲作を中心に発展しましたが、この大嘗祭は「古事記」「日本書紀」にも記載されているとされる新嘗の祭、つまり五穀豊穣と国家安寧を祈ることをその起源としているのです。
大嘗祭とは、例年の新嘗祭とは異なり、新しい天皇陛下が即位された最初の新嘗祭を、一世一度の儀式として行われるものですね。7世紀後半の第40代天武天皇、41代の持統天皇の頃に、大嘗祭と新嘗祭が明確に区別され、現代まで継承されているとのことです。一時期、室町時代に中断した時期もあるようですが、江戸時代に再興され、殆どの天皇の即位に際して行われているとのこと。すごいな。
日本の東側を悠紀地方として、大嘗宮において悠紀殿が作られ、そこで東日本の亀卜で定められたところの新穀のみならず、東日本から北海道までの様々な「庭積の御代物」と呼ばれる各地の特産品がお供え物として供えられます。
日本の西側を主基殿として、主基殿が作られ、同様な西日本からのお供え物があり、天皇陛下が悠紀殿に引き続き、夜中から入られ、「采女」と呼ばれる女性の手伝いを受けながら、神饌を供えられ、拝礼、御告文を奏上され、直会まで行われるとのこと。
朝から夜中まで、本当にありがたいことです。このように、日本の皆さんは、そして世界に対しても祈りを捧げようとする伝統は、維持したいですね。
ま、それにも政教分離などについて、今回の儀式は安倍首相の力強いリーダーシップで速やかに進められましたが、法理上の解決には至っておらず、色々な意見があるようです…。
いずれにせよ、そのような話とは別にも、祈りには意味があると私は考えています。
国の起源に思いを馳せる
世界において、どの国もその起源を大切にし、その正当性を明確にしようとするものです。自らの起源を「つまらないもの」に求めようとする人は殆どいませんから。
日本は、世界に稀な男系天皇制が2000年以上にわたって続いている国です。これ自体、殆ど奇跡的なことです。細かい議論は沢山ありますが、このような日本という国において、現在は世界において一定の地位を得て、世界平和に貢献する一定の力を発揮する、そんな素晴らしいことはありません。
生きている一人一人、日本国民の安寧と五穀豊穣、更には日本のみならず世界の人の生きる力と人を活かしてくれる自然に対して、祈りを捧げることを大切にしている日本という国のあり方、そのような姿勢に思いを馳せながら、ありがたいなぁと感じます。
国への所属がないと、難民になります。世界民である、というようなことを訴えた人もいましたが、世界を見ると非現実的ですね。海外旅行に行くときにパスポートをじっくり見ると分かりますが、普段は意識しませんが、国に所属する人は自らが所属する国に守られています。
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