第2回公認心理師試験が8/4の日曜日、今週末に迫りました。目指して受験される皆様、頑張ってください。
今回は、その時期をきっかけに考えたこと、心理士が行う業務について、少し書いてみたいと思います。
まず、私が臨床心理士であり、公認心理師でもありますので、私が行ってきていることを考えてみたいと思います。
一つには現実的な支援です。目の前の困ったことへの対策、様々な支援制度につなぐこと、対人スキルを上げるためのロールプレイや精神症状への対応も含まれます。時に、何が起こっているのかを相談に来られたクライエントさんと一緒に確認して、進めます。
もう一つは、内的世界を豊かにする支援です。非現実的と批判する人もいるかもしれませんが、生きている実感もこの領域と繋がることが多いものですし、この領域はとても重要だと考えています。
具体的な例を通して考えてみましょう。
例えば、怒りのコントロールが難しい方が相談に来られたとします。その方との話の中で、その感情を振り返り、起こった時にどのように振るまい、感じているのかといった事実を確認することは必要です。過去に幾度かの感情の爆発を振り返り整理していく過程で、怒った時の行動パターンが見えてくることが多々あります。そのような中で、起こった時にどのようにしていければよいのか、現実的に対策を立て、実践していきます。ただこれらのステップは、怒りを感じ、認識できないと進みません。だからこそ、現実的で丁寧な振り返りと方向付けがされないと実効性をもちません。怒っている時に、怒っていることを認識できなくなっている人も少なくないので…。もしかすると、医師と連携することで、安定を見出す人もいるかもしれません。多少、行ったり来たりしながらですが、怒りへの対処が進んだときに、もう一つのテーマも取り上げることがあります。
怒りの問題を抱えている人が、怒りとの関係の歴史を考えていく過程で、何ゆえに怒りがそのような形で出るようになってきたのか、親子関係や過去に体験した様々な事象を振り返ることにも力を注いでいきます。自分の怒りが、過去に満たされなかった想いの反動となっている場合には、自分の中の過去の想いを整理するために、時間をかけてワークを行ったり、過去の癒しのための時間を十分に取る、ということもあります。
この例で紹介した前半の部分は、現実的な支援に近いでしょうし、後半は内面的な支援に近いと思います。前半だけが進むと、喉元過ぎれば…というように、一時的な対応で済ませてしまい、一定時間で自分の取組みが本当に身につくまでに至る前に、再度の問題を起こしてしまう人も少なくありません。いらっしゃった方のニーズに寄りますが、どちらの支援も十分に進めることが大切ですよね。
明日は、治療の枠組みについての考察として、少し続けます。