心理療法・カウンセリング

Q13 カウンセリングの効果を高めるためにできること

効果を高めたい

 カウンセリングを求める人は,何とかしてもらいたいと思ってくることが多いように思います。

 過日,仲間内のロールプレイ練習で,ある訓練生から質問されたことがあります。

 「仕事がなくなってしまったんですけど,どうしたらいいでしょうか?」
 などと,「どうすればよいですか」と直接に答えを求められると,困ってしまうという話でした。

 カウンセリングは,ハローワークではないから,仕事を紹介することはありません。

 昔,お世話になった先生がおっしゃっていたことで,中国の言い伝えがあります。
 記憶をたどってすごく簡単に言うと,飢えて食べ物を求めてくる人に,食べ物を上げてはいけない。魚の釣り方を教えるべきだ。「授人以魚不如授人以漁」という言葉で,老師にあると言われたり,他が語源だとあるようですが,その部分は掘り下げませんので,研究した方は教えてください。

 カウンセリングも,まさに同様の取り組みなのです。

 魚の釣り方を教えるプロ,とでもいいましょうか。

自分でやる

 このことは,つまりは人にやってもらうのではなく,自分でやるということです。

 水野敬也著「夢をかなえるゾウ」という面白い本も,同じことを言っていますよね。
 この本,好きだったなぁ。

 自分でやるなら,人の助け入らないかというと,人の助けは本当に助けになります。
人は,人の存在を感じる中で,自分の内にその教えを見出していくのです。
そこで注意しなければならないのは,教わったことに無条件に従わないといけない,ということではないということです。教えをどのように感じるか,それを自分の中に照らし合わせる取り組みが大切です。
 実は,そこが大切なポイントなんです。

 カウンセラーは,アドバイスをしないと言いますが,「教え」を垂れるのがカウンセリングではなく,自らの中に自分にフィットする「学び」を見出すのです。

感じる,記録する,感じる,行動する

 話したことをどのように感じるのか,それを頭で考えるだけではなく,心で感じる練習は大切です。
 頭で理解したこと,心で感じたことを記録しておくことも役立ちます。
 次第に,その感じは変化していきます。
 そして,それに従って行動に繋げていくのです。

 昔,私の先輩に,良い師を探すために3年かけろと言われました。
 あちらこちらに,優れた先生方がいます。
 自分にあった先生を見出すための時間は,それ自体が自分を磨くための取り組みであり,決して無駄になりません。
 自分にあった人にしか,なかなかご縁は育てられませんからね。
 

 玉井心理研究室では、心理療法・心理カウンセリングの提供をしています。また、個人のみならず、組織や会社団体などにおける心理支援も行っております。
 現在は、Zoomやスカイプ、電話による相談も強化しております。