心理療法・カウンセリング

Q10 知っておいたほうが良いカウンセラー資格

心理士・心理師・カウンセラー資格

 日本では,心理療法家,心理カウンセラーに対する業務独占資格はないのです。
 業務独占とは,医師や弁護士のように,その資格がないと行ってはいけない業務が法律によって指定されている,ということです。

 つまり,言いたくはありませんが,資格がなくても「心理カウンセラーです」と名乗ることは可能なのです。これは,本当に問題だと思います。
 資格で仕事ができるとは思いませんが,資格は基本的訓練をどのように行ってきたか,という証明書でもあるのでしょうね。

 ま,国の政策に文句を言っていても仕方がないので,現状を共有しましょう。

 幾つか,心理カウンセラーに関する資格を紹介します。

臨床心理士

 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する資格です。

昭和63(1988)年に、16の臨床心理学に関連する心理学関係学会の協賛を得て発足することになった日本臨床心理士資格認定協会は、その2年後に文部科学省が認可する財団法人となり、平成25(2013)年4月1日付で内閣府認可の公益財団法人に移行し、今日の発展をみています。(HPより)

 実際に,日本の臨床心理領域で,大学院における実習等を踏まえ,一番しっかりとした資格と言えるでしょう。
 取得には,心理の専門大学院の修了が必須で,その後の試験において認定されています。
 当研究室の玉井も,この資格を持って活動を続けておりますが,様々な研修会などでは,心理の人って真面目だなぁと感じることが多いものです。
 5年毎の更新研修も義務付けられています。

公認心理師

 平成27年9月9日に公認心理師法が成立し,平成29年9月15日に施行され,日本における心理職の国家資格として,「公認心理師」制度が推進されることになっています。

 新たに作られてきているどのような資格でもそうですが,この資格も心理学周辺領域において活動している人たちも多く取得をしており,心理の専門資格としてこれからの取り組みが期待されると考えています。

 日本公認心理師協会も立ち上がっていますが,活動はこれから発展するかと思われます。

精神保健福祉士

 福祉資格ですが,精神疾患や心理領域の学びを必須としております。
 精神科,心療内科などにおいて,ワーカーとして活動している人もいますし,ジョブコーチとして自治体の中で活動しておられる人も多くいます。

カウンセリング心理士

 日本カウンセリング学会が認定した,カウンセラー資格です。以前は,認定カウンセラーと呼ばれていました。
 昔,大学院時代に進められましたが,資格取得せずに今までやってきています。

産業カウンセラー

 日本産業カウンセラー協会が認定している資格です。
 傾聴をスキルの中心として,産業領域で活動している人たち,又熱心な人事担当者たちが学び,取得して活動しているものです。
 産業領域における認知度が高いものです。

臨床発達心理士

 臨床発達心理士認定運営機構が認定しています。

 臨床発達心理士とは、発達の臨床に携わる幅広い専門家に開かれた資格です。人の発達・成長・加齢に寄り添い、必要とされる援助を提供します。(HPより)

 その他,学会認定資格,民間認定資格など,様々な資格があります。
 玉井は,臨床心理士,公認心理師,精神保健福祉士を取得し,支援を行っています。

 以前,全国心理業連合会が認定している,プロフェッショナルカウンセラーなる資格を,ご縁で頂いておりましたが,今は退会させていただきました。

 この領域では,怪しい資格も沢山あります。
 3日間で心理カウンセラー資格が取れる,とうたっている団体もあるぐらいですから。
 支援を求められる際には,心理カウンセラーがどのような資格を持って,何を専門としているのかを確認して,支援を求めるのも大切なことかと思います。

 玉井心理研究室では、心理療法・心理カウンセリングの提供をしています。また、個人のみならず、組織や会社団体などにおける心理支援も行っております。
 現在は、Zoomやスカイプ、電話による相談も強化しております。