心理雑感

Я від усього серця молюся за вашу безпеку

ウクライナでの戦闘開始

 表記は,ウクライナ語で,「皆さんの無事を心より祈念します」と書いています。

 Я молюсь от всего сердца за вашу безопасность

 これは,ロシア語です。
 ロシアの戦士も,体制側についている人もいるけれども,そのようなつもりはないままに気が付いたら戦闘の中にいる,という人もいるようです。

 すぐにできること,として募金を始めました。

 在日ウクライナ大使館公式Twitterでも,2月25日、振込先の銀行口座を発表していますね。

戦争における「人殺し」の心理学

 少し前,ちょうど必要かと思い読んでいた本に,『戦争における「人殺し」の心理学』(デーブ・グロスマン著 ちくま学芸文庫)があります。
 著者は,軍人であり,心理学者でもあるアメリカ人です。

 人が人を殺すことに,いかに抵抗を感じてきたのか,ということが克明に証明されています。

 そして,近年の戦争において,その抵抗を減らす工夫がどのようになされてきたのか,そしてその結果が,人にどのように影響するのかも,多くのデータと共に,多くの退役軍人たちへのインタビューを載せて示しています。
 本当に,読み応えのある本でした。

 今回のウクライナへの侵攻では,ロシア人もプーチン大統領が主張する正義にすがって戦うしかなく,それもまた苦しいと思われます。
 ロシアの独立系世論調査機関,レバダ・センターの最新調査では,今年1月末から2月初旬のプーチン大統領の支持率は69%と,昨年12月の前回調査から4ポイント上昇しているという。ただ,一年前の昨年2月にはレバダ・センターは,プーチン大統領の支持率の最新調査で,若年層(18~24歳)で「支持する」と回答したのが51%にとどまり,「支持しない」が46%と半数近くになったとの結果を発表している。その後,大統領の体制側による言論の自由がなくなっているという報告もあり,最近の発表も正確な状況を表しているのか不明でしょう。

 人間は,同じ人間を殺すことに強い抵抗感を感じるのです。
 それは,自然の本能とでもいうほど強いものなのです。

 思い通りにならないことは沢山あるけれども,それに肚を据えて対話を重ねる,そんな取り組みを拡げていきたいものです。

 近年の日本の産業領域では,パワハラなどが注目されますが,力で相手を押さえつけるのではなくて,ちゃんと話し合いたいですね。もちろん,話しを聴かない困った人がいるのも事実ですが…。今回の場合,ロシアがそうなっています。対話のテーブルに戻す,これが大切です。

 世界で自らの国を守るときには,義理と人情では進まないのでしょうか。
 しばしば,そのような美談が歴史にも見られますが,それはまれだから,なのかもしれません。
 それでも,個人レベルでは,その義理と人情が働くんですよね。
 組織が大きくなると,違う力が働いてしまうのです。

 玉井心理研究室では、心理療法・心理カウンセリングの提供をしています。また、個人のみならず、組織や会社団体などにおける心理支援も行っております。
 現在は、Zoomやスカイプ、電話による相談も強化しております。