精神疾患

ポストコロナ対策を考え、実践する②

精神症状など

 今回は、不安が高まる現在の状況で、どのような精神・心理状態などに陥る可能性が高まるか、少し書いてみたいと思います。

 「私に当てはまる」かどうかといった見方ではなく、自分の状態を客観的に観察する、そんな道具に使ってもらえばよいです。

(1)不安障害

 不安は私たちの行動を促す大切な感情なのですが、過剰にその不安から離れられない、不安のせいで適切な行動がとれない、などと幅広く不安障害の 全般不安症、パニック症、恐怖症などのきっかけとなることもあります。

 障害はそれぞれ別のものですが、いずれも特に不安と恐怖に関連した苦痛と日常生活への支障を特徴としています。もともと不安傾向が高い人かかりやすいものですが、大きなきっかけで障害に進むことがあります。

(2)依存症

 それまでの日常で採用されていた、不安時のセルフ・コントロール法がうまく利用できず、不安の制御戦略を適切に利用できないことで、何かにしがみつくといった行動・態度が助長されることがあります。

 問題を見ないようにするために、飲酒やギャンブルで時間を費やしたり、現実的ではない多幸感を感じられるような物質やゲームなどにはまることもあります。

(3)発達障害

 環境変化などで発達障害の発症が増えるということではありませんが、発達障害を持つ人の中には、変化への適応力が低い人が多く、現在のような環境の変化に対応が難しくなり、二次障害的に調子を崩す人が多くおられます。

(4)感情の抑制と暴走

 日本は、「空気を読んで」判断や行動に進む文化を持つと言われます。
 山本七平の「空気の研究」は有名ですね。

 日本人は、外出自粛、感染拡大防止、といった「正しい」ことを重視し、外出自粛のお願いをちゃんと守るという真面目さを持っています。
 これは、素晴らしい美点です。一方、反動として、インターネット社会では「正しい」ことの主張が暴走し、社会的に不適切と思われる行動をとった人に対する攻撃や追及が無限に行われるなども生じます。
 状況的に社会的抑制が強くなっていますので、感情が発散先を求めて暴走する傾向も高まりますから、普段から意識して注意しないといけませんね。

(5)単純接触効果の欠如(ポストコロナ対応)

 単純接触効果は、意識しないレベルでも繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果であり、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱しました。

 外出自粛によって、他者との接触や電車に乗ることも減るなどしています。
 つまり、以前は電車で隣に人が座ってくる状況も、「まいっか」と思えていたのが、自粛が緩和された後に隣の席に人が座ってくることに対して、違和感や嫌悪感を感じたり、対人認知へのマイナス方向の評価が増大します。
 簡単に言うと、なれの問題です。
 自粛後は、自由になるのではなく、一歩一歩、リハビリが必要になるのです。

(6)ストレス耐性の低下(ポストコロナ対応)

 ストレスの際に、それを受け止め、自分の状態を元の状態に戻そうとする恒常性が弱り、ストレスに対する過敏性が増していきます。
 ストレスを外因に帰属させる働きから、差別の増大につながる評価や態度に進むことも見受けられます。

 コロナ関係で経済的な苦境に陥ったり、それでも一生懸命心が折れそうになりながら、支援を続けておられる人たちもおられます。

 自分のケアをする。それ自体もすごく大きなコロナ対策です。
 そして、社会とのつながりを維持して、ポストコロナ対策にも目を向けることも大切ですね。

 支えあいが必要です。支えあえる人の存在を感じにくく、苦しみを深めている人もおられるでしょう。少しでも、多くの人の心に安らぎが届きますように!

 コロナ不安、今後についての不安などでも、相談をお受けしています。

 玉井心理研究室では、心理療法・心理カウンセリングの提供をしています。
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