いろいろな不安に関する精神疾患
不安障害の中には、幾つかのよく見聞きする精神疾患名が含まれています。
「パニック症」「社交不安症」「全般性不安症」などはその中心となるものでしょう。
パニック発作が自身に起こる身体・心理的事態の予兆と考えて不安になる、パニック症。自身に危害が及ぶのではないかと恐れる、特定の恐怖症。自分の評価が悪くなることを過剰に恐れる、社交不安症。災難が起きるのではないかと心配し続ける、全般性不安症。強迫観念が現実になるのではないかと恐れる、強迫症(強迫性障害)。
強迫症は、DSM5からは、不安障害のカテゴリーから離れ、独自のカテゴリーを作るようになりましたね。
それぞれの疾患ごとに、何を不安としているのかが異なっているのです。
不安という感情について
過去、2019年の7月のブログにて、不安という感情について書きました。
ここでも改めて少し振り返っておきましょう。
「不安」は、何か気がかりなことがあり、それに備えたほうがよいと認識されるような場面において出てくる感情です。つまり、「備えなさい」というメッセージを私たちに運んできてくれるのです。
不安は、大切な感情です。ただ、不安は人が認識するよりもはるかに、人の行動に大きな影響を与えています。不安を理解し、うまく付き合えるようになることで、随分と自由になれるのです。
そしてその不安が大きく、つまり不安によって行動が過剰または過敏になっており、自由が極端に制約されている、そんな状況に対して、精神疾患という名前が付けられており、その対策が研究されてきているのです。
DSM5でも、不安は将来の危険に対処するための筋緊張及び覚醒状態、更に警戒行動や回避行動と多く関連している、と述べられています。
今回は、不安障害の概略のところについて、書いておきました。
これから、それぞれの個別の不安障害についても、整理して書いていきたいと思います。
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